外部センサの接続と制御対象の周辺機器の接続

R-MSMセンサモジュールに装着されたコネクタを使用して、外部センサや周辺機器を接続します。各コネクタの説明はこちらにあります。

また、センサモジュールから外部センサや周辺機器に給電する際はセンサモジュールへの給電についても確認してください。

外部センサー等への電源供給

センサモジュールを用いてシステム構成するとき、外部接続するセンサやインターフェース回路に電源が必要な場合があります。その際にセンサモジュールのコネクタから電源を取り出して使用することができます。

・+3.3V Output  :
+3.3Vの電源として利用できます。全ての3.3Vコネクタの合計で300mA以下の範囲でご利用ください。

・+5V Output :
USBで給電している時に+5Vの電源として利用できます。LiPOバッテリー端子を使用している場合は利用できません。
この端子はUSB端子のVUSBと直結していますので、USB給電の場合は給電元のUSB機器の電流容量の範囲でご利用ください。(例えばUSB ACアダプタを利用している場合はそのACアダプタの定格出力)
 
この他に、インターフェース用として使用しているI2Cコネクタからも電源を利用することができます。
下記の「外付けI2Cセンサを接続する」の項をご確認ください。


外付けI2Cセンサを接続する

オンボードセンサだけでなく、外部接続のI2Cデバイスを拡張端子を使用して接続することができます。接続できるセンサの種類はこちらの表を参照してください。対応済みのセンサを接続して電源を入れなおすなどしてリセットすると、センサモジュールで認識して利用できるようになります。

・External I2C (3.3V) : 基板の内側で上向きに取り付けられたコネクタです。3.3V給電されていますので、3.3Vで動作するI2Cデバイスをコネクタひとつで接続することができます。SCL,SDAのラインはプルアップされていますので追加は不要です。

・External I2C : 基板のエッジに取り付けられたコネクタです。
裏面のジャンパー「VREF2」で初期設定では3.3Vが出力されていますので、3.3Vで動作するI2Cデバイスを接続することができます。
こちらのコネクタのSCL,SDAのラインはプルアップされていませんので、5~10KΩの抵抗でプルアップしてください。
このコネクタはジャンパー「VREF2」を解放することで、5V出力のI2Cデバイスを接続することができます。VREF2には外部接続するデバイスの電源を接続してください。


アナログセンサの接続(アナログ信号の入力)

MSMをデジタルモードで動作させている場合、オンボードのADCチップ(ADS1015)を使って、オンボードセンサと同様にアナログ出力センサの値やアナログ電圧信号を読み込むことが可能です。AIN0 ~ AIN3 の4ポートが利用できるようになっていますが、初期状態ではAIN3はコネクタから切り離されてマイクが接続されています。AIN3入力をAIN0~AIN2と同じようにコネクタに引き出して使用する場合は、基板裏面のジャンパー設定を変更してください。


入力端子にはセンサモジュールの電源電圧の3.3Vを超える電圧はかけられませんので、計測する信号は0V~3.3V以内に収まるよう必要に応じてインターフェース用の電子回路を追加してください。詳細は、第7巻をご覧ください

各入力ポートはシングルエンドモードで動作し初期状態ではデフォルトの2/3ゲインモード(数値が1変化すると3mV)で動作しています。
センサ出力データは0V~3.3Vを計測した場合に0~1100のADC値が得られます。
   ADS1015データシート


コントロールする外部機器を接続する

センサモジュールのポートにインターフェース回路等を介して外部機器を接続すると、センサモジュールの制御コマンド等を使用して外部機器をコントロールすることができます。
外部機器をコントロールする場合には十分に安全対策に配慮してください。詳しくはこちらを参照してください。

・MCP23008 GPIO : GP5,GP6,GP7の3本のラインをあらかじめ外部機器制御用のデジタル出力に設定しています。(初期状態でのポート出力はLowです。)ここにリレーモジュール等を介してベルトコンベアなどを接続することで、コンベアの駆動/停止、方向などをコントローすることもできます。接続インターフェースを作成する際はデータシートを見て定格内のスペックでご利用ください。
この出力ポートを操作するNode-REDフローはこちらを参照してください。

・MCP23008 GPIO : GP0,GP1,GP2,GP3,GP4の5本のラインはデジタル入力ポートに設定しています。(初期状態では100KΩで内部的にプルアップされています。)ここに 1: 3.3V  0: GND のデジタル信号を接続すると、センサモジュールで読み取る事ができます。
この入力ポートを操作するNode-REDフローはこちらを参照してください。

   MCP23008 データシート

・MCP4725 DAC Output : センサモジュールの制御コマンドで出力電圧を変更することができます。電空レギュレータに接続して空気圧を設定するなどの用途に利用できます。このDAC出力ポートを操作するNode-REDフローはこちらをご覧ください。
   MCP4725 データシート

・TLP293 PhotoCoupler Output : センサモジュールが何らかの原因で動作を停止したときにWDTが動作してリセットがかかります。その際にフォトカプラでPLCなどにリセットされた信号を伝えることができます。これを有効にするには、基板裏面のジャンパー「PC」を接続します。「PC」を接続することでフォトカプラ内部のフォトダイオードが有効化されます。出力端子はオープンコレクタでセンサモジュール回路とは電気的に分離されています。
  TLP293 データシート

・External I2C(3.3V) : OLED表示器を装着すると、センサモジュールの制御コマンドで文字表示をすることができます。
固定のメッセージを表示したり、センサで計測した値を更新しながら表示することができます。
このOLEDモジュールの操作を行うNode-REDフローはこちらをご覧ください。
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通信モジュールを接続する

・UART2 Terminal : センサモジュールからのシリアル通信端子を設けています。
この端子を使用して外付けのLPWA通信モジュールを接続し、Bluetoothの電波が届かない距離でのセンサデータの送信などができるようになります。

 

 

 IM920sL 通信モジュール
送信側のセンサモジュールへの接続と、データを受信するPDH側にも通信モジュールが必要です。
また、モジュールに信号線を接続したりPDHにUSBで接続するために変換アダプタやUSBインタフェースボードが必要です。実際にLPWA通信を行った事例はこちらをご覧ください。

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追加の外部センサを接続する

A-Modeで高速ADCとして使用するJ10ソケットは、D-Modeでは追加の外部センサを接続する端子として利用できます。
CO2センサモジュールを追加するためのUARTインターフェースと、温度センサを接続するためのOne-Wireインターフェースが使えますので、適合したセンサを接続します。詳細はこちらのページを参照してください。

 

PWMポートを利用する

A-Modeで高速ADCとして使用するもう一つのソケットJ11は、PWM出力として利用することができます。
(R-MSMファームウェア Ver. 1.3.3以降に更新が必要です)
このポートを利用するには、PWM出力とサーボモータ制御のコマンドを参照してください。