今後の課題

今回の実証実験を通して、現時点で明らかになっている課題です。

・ハード面

1.MSM筐体設計

筐体(ケース)の設計は、機械的な損傷を避けることを目的として設計製作しています。そのため、現状では、防水防塵に関しては検討していません。今後は、防水防塵のための筐体設計が必要です。

2.消費電力

汎用性を重視し、多種多様のセンシングを行えることを目的として数多くのセンサを搭載したため、消費電力が若干多くなっています。本稿内でも述べているように、MSMは探査フェーズで使用することを想定た最適な設計にしています。

MSMを使って計測が必要な重要パラメータが確定した後、管理フェーズへの移行の際には、AGVの駆動用電源から電源を引くなどモバイルバッテリーではない電源を確保することが必要です。
また、オンボードセンサはI2Cで接続されているので、それを取りはずして使わないセンサ自体の待機電力を下げることも可能です。

MSMで得た知見を活かし、管理フェーズ移行の際には、個別用途専用センサモジュールとして、マイコンから省エネタイプを選択し、モバイル運用特性用途向けセンサを開発する選択もあり得ます。

3.Bluetooth

OSがwindowsのPCにNode-REDをインストールすれば、PDHとして使うことが可能です。この時、PC側がrealtekのBT通信用ICを使っているとMSMとBTによる通信ができません。intelなら問題ありません。おそらく、ドライバーソフトに問題があると思うのですが、対策検討中です。

 

・ソフト面

1.省エネ運転

マイコン(ESP32)をスリープモードを入れ、間欠運転を行うなど、省エネを活かしたプログラム開発を検討中です。

2.エデュケーションモード

MSMから、疑似的な測定信号(例えば、サイン波や心電のような波形)を出せるモードを検討中です。この疑似信号を使うことで、PDHの開発等、クラウドまでの後段の開発の工数削減に役立てることを企画しています。

3.非MSMとの通信

既存の通信機能を備えている計測器等からの信号を読み込むことはできる場合が多いのですが、データがバイナリーで記述されている等、各社各様のデータフォーマットになっているので、解読が必要です。

4.クラウドシステム構築の簡素化

Dockerを使って、VM構築他の簡素化を検討