機械加工

R-MSMセンサモジュールに外付けセンサを接続したり、機械的な動作を行うためにアクチュエータを使おうとする場合、そのケースや機構を作る必要があります。従来ならば、既製品の樹脂ケースやアルミケースを購入して加工するなどの必要がありました。現在では3DCADソフトを使用して形状データを作成し、試作や小規模量産であればこのデータを元に3Dプリンタなどのラピッドプロトタイピングツールで簡単に思い通りの形状を作成することができます。

機械加工のプロセス

機構部品やケースなどを作成する場合、中心となるのは3D CADソフトウェアです。
1)3Dプリンターで造形する場合、3D CADソフトウェアで作成した形状データをSTL形式でエクスポートし、対象の3Dプリンタに適合したスライサソフトウェアで3Dプリンタ用の.gcodeファイルを作成して造形します。
2)レーザー加工機で平面の部品を作成する場合は、形状データをベクターグラフィックスで出力し、レーザー加工機に適したsvgファイルを作成して加工を行います。
3)CNCフライスを使用して切削加工する場合、形状データを元に使用する刃物と加工条件に合わせてツールパスを作成し、加工機で切削加工します。

3DCADソフト

3DCADソフトウェアを使用して3D空間に平面図をスケッチし、面の押し出しやカットで3D形状を作成します。
ソフトウェアによっては3D空間の物体を粘土細工をするように押したり引いたりして形状を作る事もできます。
完成した3D形状データをエクスポートして取り出し、3Dプリンタや他のツールで加工するために使用します。

3Dプリンタ

3Dプリンタは、近年パーソナルユース向けの製品が数多く販売されています。価格も、家庭用で1万円台~ありますが、あまり安価なものは、作ることが出来るサイズが小さく、また精度や信頼性からおすすめ出来ません。5万円~15万円のものが、中心となってきます。もちろん業務用のものもありますが、価格はサイズや精度により異なりますが、数十万円~数百万円まで、いろいろあります。

また、熱溶解積層方式以外にも光造形方式があり、目的により選択する必要があります。一般的に精度は光造形方式の方が良いとされますが、あまり大きなものは作れません。

 

現在、上で紹介した、Raise3DZortrax製の他に、左写真のPrusaというチェコ製の3Dプリンタを使用しています。元々は、ホビーユースと思いますが、非常に評価は高いようです。実際、様々なモデルを作りましたが、非常にうまく出来上がります。

 

その他の加工機器

レーザー加工機

近年、レーザー加工機は家庭用で半導体レーザーを用いたものが、安価に提供されています。しかし、出力が小さいため、加工には時間がかかり、加工材料も制限されます。大出力のCOレーザーを使用したレーザー加工機もかなり安価(20万円程度~)になり、かつコンパクトになっています。例えば、国内メーカーでは、smartDIY社などがあります。同社のホームページには、レーザーの種類や、機器の選定方法などを解説したページがありますので、そちらを参考にしても良いでしょう。

CNCフライス盤

CNCフライス盤は、回転軸の先につけた刃により、切削加工していくものです。これも最近は、家庭用を意識した小型低価格のものが多くあります。ネット検索で「CNCフライス盤 おすすめ」を検索すると参考になるページがあるので、興味のある方は一度調べてみてください。