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PDHにスタティックIPアドレスを設定する
(社内LANへの接続)
ここまでの事例ではPDHをネットワークに接続する際にWiFiアクセスポイントに接続し、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)により動的に割り振られたIPアドレスで運用していました。システムの導入先によっては、IPアドレスを割り当てて社内ネットワークの有線LANに接続したり、WiFiで接続する場合でもスタティックIPアドレスを使用する必要があります。
そのような場合には、以下の手順でスタティックIPアドレスを設定し、その他のネットワーク設定も行ってください。
PDHのベースであるRaspberry PiのOSのバージョンが、2023年10月11日に上がり、”bookworm”というCodenameになりました。今回のバージョンアップでネットワークの制御方法が変更になり、”bookworm”からは、Network Managerが標準となりました。
以下、固定IPのアドレスの設定の仕方を説明しますが、1章では”bookworm”の場合を、2章ではそれ以前のOS ”bullseye”, “buster”の場合を説明します。
現在のOSのバージョンの確認方法は、こちらこちら(PDHのOSのバージョン確認)をご覧ください。
1. OSが”bookworm”の場合の固定IPの設定方法
1.1. wifi リスト表示
・端末画面を開いてください。
・wifiのリストを表示します。以下のコマンドを入力します。
$ nmcli device wifi list
1.2. WiFi接続
次のコマンドで希望のSSIDの接続します。ここでは、SIP2_Serverに接続します。
$ nmcli device wifi connect SIP2_Server –ask
この後、パスワードを聞いてきますので入力します。
1.3. 固定IP、ゲートウェイ、DNSサーバの設定
次のコマンドで固定IP、ゲートウェイ、DNSサーバを設定します。個別に設定しても大丈夫です。
$ nmcli connection modify SIP2_Server ipv4.method manual ipv4.addresses 192.168.20.43/24 ipv4.gateway 192.168.20.1 ipv4.dns 172.24.32.1
1.4. 固定IPで接続
次のコマンドで設定を有効にし、固定IPで接続します。
$ nmcli connection up SIP2_Server
1.5. IPアドレスの確認
固定IPで指定したアドレスで接続されているか確認します。
$ ifconfig wlan0 or $ifconfig –a
2. OSが”bookworm”以前の場合の固定IPの設定方法
2.1. PDHとして使用しているRaspberry Pi の設定ファイルを開く
PDHとして使用しているRaspberry Piのデスクトップから、ファイルマネージャを開きます。
左のウインドウでフォルダ「etc」を探してクリックし、右のウインドウで「dhcpcd.conf」のファイルを見つけます。
「dhcpcd.conf」のファイルを右クリックして、テキストエディタで開きます。
2.2. 設定ファイルを編集する
ファイルの内容をスクロールして、「Example static IP configuration:」の項目の内容をコピーし、
ファイルの最後にペーストして新しい設定項目を作ります。
それぞれの行の先頭に付いている「#」を外します。#のなくなった行が設定内容として認識されます。
IPv6を使用しない場合は、IPv6に関する設定も消去しておきます。
これで設定ファイルのベースができました。
実際に使用する内容で内容を更新していきます。
・interface : 有線LANを使用して接続する場合は「eth0」を、WiFiで接続する場合は「wlan0」を設定します。
・static ip_address : 使用するスタティックIPアドレスを設定します。/24の部分はnetmask(24は255.255.255.0)です。
netmaskの設定を変更する場合はこちら(サブネットマスク早見表)を確認して適切な値をセットしてください。
2.3. 設定ファイルを保存して再起動する
設定内容の編集が終了したら、ファイルを保存して再起動します。