ここでは、3Dプリンターを使って、センサモジュールのケースを作る手順を紹介します
■おもな手順
1)3D CADを使用して形状データを作成します。
・3DCADとしてAutodesk社のFusion360を事例として紹介します。無償体験版の利用も可能です。
・参考にできるデータを読み込んで一部を修正すると作業が簡単にできます。
センサモジュールの外装設計データは、ダウンロードのページから入手できます。
2)3D CADから形状データをエクスポートします。
・3Dプリンターを使用するときは、STL形式でエクスポートするのが一般的です。
(レーザー加工機を使用する場合はDXF形式やPDF形式など、
使用する加工機でサポートする形式にエクスポートします。)
3)3Dプリンターの「スライサー」ソフトウェアに形状データを読み込み、3Dプリント用データを作成します。
・読み込んだ形状データを元に、3Dプリンターのノズルの移動経路を作成するソフトです。
それぞれの3Dプリンターの品種ごとに推奨のソフトウェアがありますので、それを使用します。
4)3Dプリンターを実際に動作させて部品を作成します。
・3Dプリンターでは、細い樹脂材料を溶かしながら縦横に動くノズルの先から
絞り出して重ねて形状を作るもの(FDM、熱溶解積層方式)が比較的手軽
に取り扱えるので便利です。
###それでは、実際にやってみましょう。
まず、ダウンロードページから外装の設計データをダウンロードします。
ダウンロードしたZIPファイルを開くと、「PMSM-EV001_Case.step」というファイルが見つかります。
Fusion360 を起動して「新規デザイン」を開き、先ほどの
「PMSM-EV001_Case.step」ファイルをアップロードします。
左側のパネルから先ほど読み込んだ「PMSM-EV001_Case.step」を開きます。
今回は、このケースのボディにあるモジュール取付穴を丸穴から角穴に変更し
固定場所にタイラップで縛り付けやすいように修正します。
「スケッチ」に入り、モジュール取付タブの面にある丸穴ふたつに
長方形ツールで各穴の形状をそれぞれ設定します。
スケッチから抜けて、押し出しツールで四角い穴形状をカットします。
このような形状に変更できたら、出来上がりです。
それでは、次にスライサソフトにかけるために、
この形状をSTL形式でエクスポートしましょう。
ブラウザからボディを開きます。
この部品は「Case_Bottom」ですので、それを右クリックして
「メッシュとして保存」を選択します。
ダイアログが表示されますので、「STL(バイナリ)」
を選択して保存します。
それでは、スライスの作業に移りましょう。
今回はZortrax社の3Dプリンターで出力しますので、スライサーソフトは
Z-SUITEを使用します。
お持ちの3Dプリンタに合わせたソフトを使用してください。
先ほど出力したSTLファイルを読み込むと、このようにスライサーの
ウインドウに配置されます。
よく見ると、角穴も正しく反映されています。
プリントセッティングの設定を行います。
ここでは使用する材料(フィラメント)の種類をお持ちの物に選択します。
他の設定もたくさんありますが、まずは推奨設定で出力し、
こだわりがあれば調整して再出力しましょう。
プロセスを進めると、実際の3Dプリンタでの出力状態が画面上で確認できます。
この内容で良ければファイルをエクスポートして3Dプリンターに読み込みます。
(この先は、改めて3Dプリンターの出力をした後で追記します。)