1. 概要

GCP(Google Cloud Platform)上に構築したVM(Virtual Machine)インスタンス上にApache2を導入しHPを立ち上げます。そして、そのHPにR-MSMのセンサデータを表示したダッシュボード画面を貼り付けて表示させます(アイキャッチ画面を作成します)。

図1に、全体の流れを示します。

2. プロジェクトの作成とVMインスタンスの作成

必要であれば、GCP上に新規プロジェクトを作成します。また、VMインスタンスを新規に立ち上げます。

新規プロジェクトとVM因子箪笥の立上げに関しては、応用事例「GCP上にUbuntuを立ち上げる」を参照してください。

ここでは、既存プロジェクトにVMインスタンスを追加します。

追加するVMインスタンスの仕様を表1に示します。

  表1 追加するVMインスタンスの仕様

VMインスタンスを追加するために、GCPコンソール画面のVMインスタンスの選択画面を表示します。

VMインスタンスの選択画面が表示されたら、[インスタンスを作成]のボタンをクリックして、新しいインスタンスを作成します。仕様に沿って記入し、[作成]ボタンをクリックします。

3. SSH接続と前準備

3-1. SSH接続

新しいVMインスタンスが作成されました。次に、Apache2のインストールのために、SSH接続を行い端末を開きます。

作成された新しいVMインスタンスの外部IPアドレスは、Apache2のインストール後にアクセスするHPのIPアドレスになりますので覚えておいてください。

では、Apache2導入の前準備のために、SSH接続を行います。SSHをクリックしてSSHの画面を開きます。

(ブラウザの設定でポップアップ画面が禁止されていると、端末画面が開きませんので注意が必要です。その場合、このアドレスのみポップアップ画面を許可してください)

SSH接続が完了すると、次のような端末画面が現れます。

3-2. Apache2インストールの前準備

Apache2の前準備として、1) パッケージのアップデートと2)時刻の設定を行います。

3-2-1. パッケージのアップデート

パッケージのアップデートが可能かを確認するため、以下のコマンドを端末から入力します。

$sudo apt update

アップデートのリストが作成され、アップデートが可能であれば、次のコマンドを入力してパッケージのアップデートを行います。

$sudo apt upgrade –y

アップデートは少し時間がかかるかもしれません。

3-2-2.時刻の設定

アップデートが完了したら時刻の設定を行います。

まず、時刻の状況を確認します。

$timedatectl status

次に示すように、Local timeがUTCで表示されると思います。日本時間に設定するために、Asia/Tokyoのタイムゾーンを設定します。そして、再度、statusを確認します。するとJSTに変わります。

$sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
$timedatectl status

以上で前準備は終了です。

4. Apache2の導入

4-1. Apache2のインストール

apache2を導入(インストール)します。端末のコマンドラインに以下のように入力します。

$sudo apt install apache2 –y

すると、インストールが開始されます。完了したら、バージョンを確認します。

$apache2 –v

以下のようにバージョンが表示されます。

 

つぎに、apache2の起動と自動起動設定を行います。

次のコマンドで、apache2を起動します。

$sudo systemctl start apache2

そして、次のコマンドで、自動起動設定を行います。

$sudo systemctl enable apache2

そして、apache2が起動しているか、statusで確認します。同様に、自動起動設定が行われているか確認します。

$systemctl status apache2
$systemctl is-enabled apache2

これら4つのコマンドを実行した際の端末画面は、以下のようになります。

apache2がactiveで起動しており、自動起動設定は、enabledで許可されています。

4-2. インストールの確認

apache2がインストールされたかどうかをVMインスタンスの外部アドレスにアクセスして確認します。

http://(外部IPアドレス)/

にブラウザからアクセスしてみてください。

以下のように、apache2のページが表示されればインストールOKです。

apache2は、/var/www/html/index.htmlを表示します。

5. PHPの導入

apache2の導入の次には、PHPを導入します。

不要な場合はスキップしてください。

5-1. PHPのインストール

以下のコマンドを入力してインストールしてください。

$ sudo apt install php –y

インストールがうまくいったか、次のコマンドを入力してバージョンの確認をしてください。

$ php –v

バージョンは以下のように表示されます。

5-2. インストールの確認

apache2の時と同じように、PHPのインストールの確認をHPにアクセスして行います。

そのための準備を少し行います。apache2の場合は、VMインスタンスの外部IPアドレスにアクセスすると以下のファイルを表示しました。

/var/www/html/index.html

PHPの場合には、以下のファイルになります。そのためこのファイルを作成します。

/var/www/html/index.php

エディタでindex.phpのファイルを開き、新規に記述を追加して、保存して閉じます。

まず、エディタでファイルを開きます。

sudo nano /var/www/html/index.ppp

その後、以下の文を追加します。phpinfo();とは、PHPの情報を表示しなさいという意味です。

<?php
phpinfo();
?>

もとのindex.htmlの名前を変更しておきます。

sudo mv /var/www/html/index.html /var/www/html/index.txt

そして、VMインスタンスの外部IPアドレスにブラウザからアクセスします。

http://(外部IPアドレス)/

下記の様なPHPの情報が表示されればOKです。

6. HPの立上げ

以上で、クラウド上にHPを立ち上げることができました。

後は、index.phpのファイルがHPのホームの画面の記述になりますから、マークアップ言語であるhtml言語を使って、ホームページを作っていくことになります。

ここでは、例として、ユーザーガイドの「14.クラウド(GCP)との接続」で立ち上げた、環境センサのダッシュボード表示画面をindex.phpを変更することで取り込んで、HPのホーム画面に表示させます。一部、Informationを記載して、お知らせが書かれたホーム画面にしてみたいと思います。

エディタで、/var/www/html/index.phpを開きます。

sudo nano /var/www/html/index.ppp

そして、PHPのインストールの確認の際に記載した記述を削除し、以下を記載します。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="uft-8">
<title>R-MSM Dashboard Demo</title>
</head>
<body>
<h2>R-MSM Dashboard Demo<br></h2>
<h3>Information<br></h3>
<p>2022.3.4 : R-MSM Page Open!!</p>
<p><iframe src="http://XX.XXX.XX.XXX:1880/ui/#!/0?socketid=mO0lMhR8OXKaDFN3JGAH" width="900" height="790" framebo
rder="0"></iframe></p>
<p></p>
</body>
</html>

以下の部分が、ダッシュボードを表示した際にブラウザのトップ窓に表示されるIPアドレスをコピーした部分になります。

<p><iframe src="http://XX.XXX.XX.XXX:1880/ui/#!/0?socketid=mO0lMhR8OXKaDFN3JGAH" width="900" height="790" framebo
rder="0"></iframe></p>

また、以下の部分がお知らせとして追加した部分です。

<h3>Information<br></h3>
<p>2022.3.4 : R-MSM Page Open!!</p>

保存してファイルと閉じます。

最後に、外部IPにブラウザからアクセスします。

下記の様に、ダッシュボードがHPに貼り付けられた形で表示されたらOKです。

元のダッシュボードが更新されると、HPに貼り付けたダッシュボードも更新されます。