PoE対応ゲートウエイの設置
PoE(Power over Ethernet)とは、1本の有線LANケーブルを使って、通信と電源供給を同時に行うシステムです。PoE構築のためには、イーサネットケーブルに電源供給できるPoE対応ハブとゲートウエイでは電源線と信号線を分離するスプリッターが必要です。
また、PoEハブは通常のハブと同じように使えますが、そこに接続する機器がPoE対応有線LANに接続しても問題ないことを事前に確認してください。
PoEのイメージ図を挿入
◆ フィールド実験
工場内の状況を観察するためにIPカメラが設置されているケースが多く、そのIPカメラはPoE対応の有線LANケーブルに接続されているケースが多いようです。また、IPカメラの設置場所は高所であるため、センサモジュールとの無線通信(BT)にも有利です。
この環境をセンサモジュールを使ったネットワーク構築に利用することで、インフラ構築に新たに発生するコストを抑えました。
◆ RaspberryPI4の設定
RaspberryPI4はデータの中継器として使用するために、ディスプレイ/キーボード/マウスを接続しなくても、リモートで使えるように設定します
有線LANの設定の他、基本的な設定を済ませた後、以下の設定を行います。詳細は、https://sip-sses.net/gateway/ をご覧ください。
- ディスプレイが接続されてなくても問題ないように、ディスプレイの設定を変更
- SSH, VNCのリモートアクセスできるように設定
- Node-REDが電源ONと同時に起動するように設定
- Node-REDのフローを記述(インストール)
以上の設定で、準備完了です。PoE対応の有線LANケーブルにRaspberryPI4の本体だけを接続することで、ゲートウエイとして動作するようになります。
◆ PoE対応有線LAN
以下に、スプリッターを使った事例を示します。写真の青色LANケーブルは、PoE対応のハブに接続されており、信号と同時に電源が供給されています。これを、市販されているRaspberryPi4専用のスプリッターを使ってLANの信号ラインと電源ラインの2つに分離し、以下のようにゲートウェイのイーサネットコネクタと電源のUSBコネクタに接続します。
図1.スプリッターを使った例
上記のスプリッター以外にもRaspberryPI4にPoE給電のケーブルを直接接続できるように機能を拡張するPoEハットが市販されています。下記の写真の上、ファンの付いた青い基板がPoEハットです。
図2.PoEハットを使った例
PoEハットを接続することで、PoE対応有線LANケーブルを直接接続して、ゲートウェイをケーブル一本だけで動作させることができます。尚、このハットを使用する際にもボード上のには放熱板を取り付けることをお勧めします。
(PoEハットを接続し、ケースに入れた状態)
PoE対応ゲートウエイの設置